災害現場などで注目されている「ダンボール家具」。
ダンボールは荷物の運搬のための梱包資材というイメージが強いですが、軽くて丈夫なので緊急時の家具への利用・展示会のブースなど一時的な利用に非常に適しています。
もちろん非常用だけでなく、家庭用のダンボール家具もすでに販売されています。家具によるけがが心配なお子様向けとしても人気のようです。
でも実際に家具・什器として使ったことがない方は、「安っぽそう」「すぐにダメになりそう」など不安も多いのではないでしょうか?
この記事ではそんなダンボール家具について詳しく説明していきます。
1. ダンボール家具の種類
厚さや性質、古紙の含有量等によっていくつかの区分がありますが、ここでは家具としてよく使われる強化ダンボールと、そうではない普通ダンボールの違いに触れようと思います。
1. 普通ダンボール
一般的に梱包資材としてよく見るダンボールです。
そもそもダンボールは表面の2枚の紙、ライナーと、中の波々にあたるフルート(中芯)で構成されています。
豆知識として、なんとなく全部同じ種類の紙でできていると思いがちですが、実際は中芯に当たるものは古紙が多く含まれる弱いもの、表面のフルートはよりパルプの含有率が多く強いものが使用されるのが一般的です。
2. 強化ダンボール
一方強化ダンボールは、表面のライナを分厚く固いものを使い、強度を持たせたダンボールです。
多くのダンボール家具ではこちらの強化ダンボールが使われています。
ダンボールを積層させた際の強度は木などの固い素材顔負けです。
強化ダンボールの中でもバイウォール(2層)やトライウォール(3層)と呼ばれる、多層にすることでさらに強度を持たせた材料もあります。
一般的に普通ダンボールに比べてコストが高いですが、強度が求められるケースでは必須になることも多いです。
2. ダンボール家具のメリット
ダンボール家具のメリットは大きく以下の3つあります。
- 軽い
- 簡単に捨てられる
- 環境にやさしい
それぞれについて見ていきましょう。
1. 軽い
まずなんといっても特筆すべきはその軽さでしょう。
通常の木製・金属製の家具とは違い軽いため、持ち運びが楽です。ご年配の方にとっては簡単に移動できる点非常に扱いやすいと思います。
またお子様がいるご家庭ではぶつけたり落としたりした際に怪我をしにくいのが安心ですね。
2. 簡単に処分できる
また捨てやすいことも大きなメリットです。
通常多くの家具は粗大ごみで捨てなければなりません。粗大ごみでの処分は、手続きが面倒なことに加えて、処分費用の発生、処分場所への持ち運びの手間も煩雑です。
ダンボールは資源ごみで捨てることが可能なので、自治体等の回収に合わせて捨てやすく非常に処分が容易です。
3. 環境にやさしい
またダンボールはリサイクルされるので環境にやさしいメリットもあります。
ダンボールはごみとして捨てるのでもしかしたら環境にやさしいイメージがない人ももしかしたらいるかもしれません。
しかしダンボールのリサイクル率は実は95%を超えています。つまり資源ごみで捨てたダンボールはまた次のダンボールに生まれ変わります。しかも約7回はリサイクルを繰り返すことができます。
近年、環境にやさしい消費を心がける「エシカル消費」が少しずつ広まっていますが、ダンボール家具の使用も、特に短期的に家具を買い替える方にとってはエシカルな選択肢といえるでしょう。
3. ダンボール家具のデメリット
一方デメリットもあります。大きく以下の3点あります。
- 水に弱い
- 虫が発生するリスクがある
- 凹みなどが生じやすい
1. 水に弱い
まず紙なので一般的には水に弱いです。
その点、飲み物をこぼしたり、水回りで使用したりにはあまり適さないかもしれません。
ただもちろん濡れてしまって使いにくくなってしまった場合も捨てやすいメリットがありますし、耐水性が付与されたものもあります。撥水性のある布製品との併用もいいかもしれません。
2. 虫が発生するリスクがある
ダンボール家具を調べると、「ダンボール家具 ゴキブリ」といったキーワードが出てきます。
ではダンボールは虫が湧きやすいのでしょうか??
結論虫が発生するリスクはあります。ダンボールはとくに箱の状態だと、湿度が高くなり虫の生息環境としては絶好の場所になります。ゴキブリだけでなく、古い本に発生するチャタテムシのような害虫が発生することもあります。
ただダンボール家具は一般的には、新しい板ダンボールから生産されており、虫がすでに生息しているような環境下でなければ、心配はないケースの方が圧倒的に多いと言えます。
ECサイトでの購入が増えてダンボールが家庭にたまってしまう状況も増えたことから「ダンボールをためるとゴキブリが出る」→「ダンボール家具もゴキブリが出る」という通説が流布していますが、適切に使用すれば問題ないため過剰に恐れる不安はないかもしれません。
3. 凹みが生じやすい
またぶつけた際に凹み等が生じやすいのもデメリットといえます。
ダンボールは材料として非常に強度があり、実際座ったり、物を置いたり日常的な使用で壊れることはほとんどないといえます。
しかし、強くぶつけてしまったり、倒してしまったりすると凹みが発生してしまう可能性はあります。
ここはある種転倒や衝突の際の怪我のしにくさの代わりとも言えますが使用上は注意したいポイントですね。
4. ダンボール家具を選ぶ際の注意点
この記事では話題になっている、ダンボール家具についてまとめました。
ダンボール家具は軽くて、処分がしやすい手軽さがライフスタイルが変わりやすい現代においては非常に魅力的ですね。まずはお持ちの他の家具との併用でひとつ、導入してみてはいかがでしょうか?きっとその扱いやすさにハマること間違いなしです。
一方で、ダンボール家具と聞くとものすごく安価なものを想像される方も多いかもしれませんが、一般的な市販の家具と変わらない値段であることに驚く方も多いかもしれません。
まだ流通量が少ない現在ではコストが大幅に下がることは考えづらいですが、今後ダンボール家具の普及に伴ってお得感も増していくでしょう。また処分費用は意外と高額なので、それも差し引くとお得な選択肢であるとも言えます。
さらに、コスト以外にも、ダンボール製の家具・什器はどのような構造が適しているか、どのようなデザインが実現可能か、に関しては一般の方には想像しにくい部分が多いと思います。単純にダンボールの工場に発注するだけだと思ったようなデザイン性が実現できない可能性もあります。
5. ダンボール家具ならカミカグにご相談を!
カミカグのダンボール家具は、一般的なダンボール家具と違い、丈夫でかつダンボールとは思えないデザイン性が魅力です。また当社選りすぐりのデザイナーによる個別のオーダーメイドも承っております。
家具としての機能性だけでなく、インテリアとしてのおしゃれさも備えています。一見すると木製のようにも見える家具は強化ダンボールよりも多くの普通ダンボールの積層により作られています。スツールの耐荷重は1tを超える、非常に強度のある作りが特徴的できっと驚かれること間違いありません。
まずはストア(https://kamikagu.myshopify.com/collections/frontpage)を覗いてみてください。「えっ!!これがダンボール???」と思われること間違いなしです。
またダンボール家具・什器の導入・購入を検討の際はお気軽にお問合せください。どのような構造が適しているか、どのようなデザインが実現可能か、様々お役に立てるかと思います。
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